初見さん対応の主役は、ライバーではない
初見さんが来たら挨拶する。名前を呼ぶ。質問攻めにしない。このあたりは、続けている人ならすでに自分なりの形を持っているはずです。それでも定着しない、という悩みには、対応の技術とは別の場所に理由があることが多いです。
考えてみてほしいのは、初見さんが枠を出る瞬間に何を覚えているか。実は、ライバーの言葉より「この枠の人たち、感じよかったな」という空気の記憶です。そしてその空気を作っているのは、常連さんのコメントです。つまり初見さん対応の技術の半分は、配信中ではなく、常連さんと「迎える文化」を作っておく日頃の関係の中にあります。
歓迎は、しすぎると逆効果になる
意外なところで損をしがちなのが、歓迎のしすぎです。今の話を完全に止めて「初見さんですか!? ようこそ!!」と全力対応に切り替えると、本人は注目されすぎて気まずいし、常連さんは会話を毎回切られる枠になります。ちょうどいいのは「歓迎はするが、特別扱いはしすぎない」くらいの温度。今の話を続けたまま、名前だけ拾う。挨拶に返事がなくても気にしない。見るだけの人は、見るだけでいていいんです。
初見さんが一番困る瞬間と、一番うれしい瞬間
初見さんが一番困るのは、常連さん同士の内輪の会話です。逆に一番うれしいのは、輪に入れた瞬間。だから内輪ネタが出たら10秒だけ解説を挟む(「これね、この枠の伝統芸みたいなやつで(笑)」)。「△△さんも最初この話で来てくれたんだよね」と常連さんに橋を渡す。この橋渡しがライバーの仕事の中心です。
そして、雰囲気のいい枠では、いずれ常連さんが先に挨拶してくれるようになります。ここまで来ると、初見さん対応の入口は半分自動で回りはじめます。
公式の説明にも、近いことが書かれています。趣味・興味タブと注目50(どちらも顔が写っている配信が対象のタブです)について、公式は「リスナーに表示されている配信の中で、おしのび配信、ご新規さん歓迎配信を利用している、初見リスナーの定着率が高いライバーの配信が上位に表示されやすくなりますが、表示を保証するものではありません」と書いています。並ぶ条件は3つで、定着率はそのうちのひとつ。おしのびとご新規配信にはそれぞれ必要なランクがあるので、いま使えないなら、残るひとつを積み上げておく期間だと考えるのが現実的です。目の前のひとりへの対応の質は、その人が残るかどうかだけでなく、こういう場所での並び順にも関わってきます。
もうひとつ、心を守る数字の話。こちらは公式の数字ではなく、あくまで肌感覚です。定着は確率の勝負でもあって、10人に1人が2回目に来れば十分な打率だと思っています。9人が消えるのは対応の失敗ではなく、この仕事の前提です。
初見さん対応を「自分の接客スキルの問題」としてひとりで抱えなくて大丈夫です。それは枠のみんなで持てる仕事で、むしろみんなで持ったときに一番うまくいく仕事です。
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