なぜ人は投げ銭をするのか。研究が示す5つの動機

こんな人に: 「今日も楽しかったって言ってもらえたのに、数字は動かなかった」という夜があるライバーさんへ。

「どうしたら投げてもらえるんだろう」。よくある答えは「面白い配信をすること」。でも、これは半分しか合っていません。

米国のレストランのチップを長年研究したコーネル大学の調査では、サービスの質とチップ額の相関は驚くほど弱いことが繰り返し示されています。額を決めていたのは、サービスの出来ではなく「相手との関係をどう感じているか」でした。

投げ銭も同じです。面白さは入口で、財布が動く理由は別にある。研究上、その理由は5つに分解できます。

1. 認知されたい。投げれば名前を読まれ、「この人の世界に自分が存在した」ことが確定します。2018年の配信視聴者研究でも、金銭的支援を予測する主要因子は配信の上手さではなく、配信者への情緒的な愛着でした。

2. お返ししたい。心理学で言う返報性です。投げ銭は「もらいすぎている」という心地よい負債感が溜まったときに起きます。だから催促は逆効果。「投げてね」と言った瞬間、贈り物のお返しが請求への支払いに変わります。

3. 見られたい。投げ銭はその場の全員に見えています。高額ギフトの動機を調べた研究では「配信者に認知されたい」と並んで「他の視聴者から一目置かれたい」が挙がっています。太い応援は、好意と「場での立場」の合成です。

4. 所属したい。Twitch視聴者2,200人以上の調査で、課金を予測する上位動機は面白さよりも「コミュニティへの所属感」でした。イベントで枠が強くなるのは、好意に「うちのチーム」の心理が上乗せされるからです。

5. 結果を変えたい。人は自分の一投で勝敗が変わる場面で、金額の合理性を超えて動きます。このタイプの応援は消費ではなく、物語への参加です。

使い方応援が伸び悩んだら、「もっと面白くしなきゃ」の前に、5つのうちどの受け皿が欠けているかを考えてみてください。盛り上がるのにコアがつかないなら地位と所属、常連は濃いのにイベントで数字が出ないなら貢献の受け皿が怪しい、という具合です。

読みながら「これはもうやってる」と思えた項目があったなら、それが正解です。名前を呼ぶ、お礼を言う、目標を口にする。それを「たまたま」から「どの心理に効かせているか分かってやる」に変えるのが、この整理の使い道です。

書いている人: ちゅっぱ。「読んだよぉ」のひとことでも、「うちの枠だとどうなる?」の相談でも、うまく言葉にできなくても大丈夫なので、気軽にDMください。InstagramのDM(@chupa.chan11)で待ってます。