かわいいは、持ち物ではなく出来事

こんな人に: 仕草や表情に出るかわいさについて、飽きられないかが気になっている人、憧れの人の仕草が気になっている人へ。かわいいを主役にしていない人にも、自分のかわいいが何なのかを知る話として読めます。

かわいいは、いつか飽きられるものでしょうか。憧れのあの人の仕草は、真似すれば自分の枠でも効くのでしょうか。別の質問に見えますが、一つの言い換えで両方に答えが出ます。

リスナーが「かわいい」と感じているのは、あなたが持っている何かではなく、いま起きた何かです。顔立ちや声のように、いつ見ても同じようにそこにあるのが「持ち物」。ふとした瞬間に起きて、次の瞬間には消えているのが「出来事」です。研究の定義も同じ形で、かわいいは対象の性質ではなく、見る側に一時的に起きる感情とされています。

飽きは、心配する場所じゃない

人が慣れるのは、いつも同じようにそこにあるものです。いつ出るか分からないものには慣れが起きにくいことが、研究で確かめられています。

出来事は、いつ出るか分からない方です。起きるタイミングを、本人が決めていないからです。狙って出したものではない仕草は、それだけで飽きられにくい側にあります。

真似で手に入るのは、感情まで

仕草は、出来事の引き金です。だから憧れの人の仕草を真似すれば、同じ出来事をよその枠でも起こせそうに見えます。ただ、出来事は感情と信用の二つを一度に運んでいて、真似で手に入るのは片方だけです。

感情。見た瞬間に起きる「かわいい」そのものです。これは仕草の形が起こすもので、ロボットが首をかしげるだけで人は「かわいい」と感じる、という研究があるくらいです。仕草を真似すれば、感情は手に入ります。

信用。「これはこの人の素だ、狙って出したものじゃない」という受け取りです。ふとした瞬間のかわいさが強く効くのは、狙って出せない出来事だからこそ、素の証拠として信じてもらえるからだと思います。真似した仕草は作った仕草なので、感情は起こせても、素の証拠にはなりません。あなたの素は、あなたにしか出せません。

憧れの人から持ってこられるのは、場面

持ってこられるものがあるとしたら、仕草ではなく、出来事が起きていた場面の方です。予想外のコメントに食いついたとき、何かを食べているとき、失敗したとき。こういう、出来事が起きやすい状況が「場面」です。仕草と違って、場面の方は、もう自然に置けている人が多いはずです。配信中に何かを食べる、知らない単語を聞き返す。どれも、狙わずにやっている場面です。

試してみるなら次の配信で、出来事が起きた瞬間を一つ、仕草ではなく場面の言葉で書き留めてみてください。「首をかしげた」ではなく「知らない単語を聞き返していた」のように。翌週、その場面を一つ、意図して配信に置いてみる。再現するのは仕草ではなく、場面です。

かわいいが持ち物なら、守るか磨くかの話になります。出来事なら、起きる場面を用意しておくだけでいい。同じかわいいでも、呼び方を変えると、やることが変わります。

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